傷ついた野鳥動物のレスキュー隊
オホーツク地方には,こんなにもカッコイイオジロワシが流氷とともにロシアからやってくる。オジロワシは絶滅危惧種に指定されている。この大自然の象徴のような鳥が,人間の活動によって傷ついている。
真っ二つに折れた羽。ワシの近くに見えるのは巨大な発電用の風車だ。回転する羽に富んでいるわしが叩き落されることがある。ここ10年間で分かっているだけでも70羽ほどが同様のケースで傷ついている。この数はもちろん氷山の一角である。
録画してあったNHKの番組「ワイルドライフ 北海道 オジロワシ舞う大地 密着! 絶滅危惧種レスキュー」を見た。
北海道釧路市にある環境省釧路湿原野生生物保護センター。ここでは10人に満たないメンバーで,全道の野生動物のレスキューを受け持っている。チームをまとめるのは,猛禽類顎研究所獣医師の斎藤慶輔さん。30年にもわたって,傷ついた鳥たちの治療を行ってきた。鳥が傷つく主な原因はわれわれ人間だ。
例えば,シカ猟に使われる鉛の弾丸は,巡り巡って鉛中毒のワシを生み出していた。鉛中毒になったワシは助けることができない。斎藤さんの原点はこの鉛中毒のワシだった。斎藤さんは世界にも珍しい猛禽類の鉛中毒の実態について報告した。日本では2000年以降,鉛の弾丸の使用が禁じられた。
また,ワシはよく列車にはねられる。原因はまたしてもシカ。道民にとってはおなじみの汽車とシカの事故は,一番の発見者であるワシがシカの死骸をを食べている間に,後続の列車にはねられるのだ。
斎藤さんはこうした状況に「環境治療」という考え方で向き合っていく。
環境治療とは,野生動物が事故にあわないように,危険な環境を特定し,変えていく活動のことだ。鳥よけの送電塔や高速道路に鳥よけポールを立てるなどの対策が進んでいる。
高速道路の鳥よけ
https://thesis.ceri.go.jp/db/files/12857413055847ad5190b.pdf3a
中学校社会科では最適なエネルギーミックスを考えようみたいな課題で,火力や原子力,再生可能エネルギーの配分について考える。北海道民にとって身近な風力発電は,多くの生徒が増やしていくべき発電方法として取り上げる。
このとき,授業ではなかなか本筋からそれるために取り上げることはないが,こんなテレビをきっかけに反論する生徒を楽しみにしている。
こうした地道な活動については,ホームページでチェック。
YouTubeチャンネルもあるみたい!