ゴリラの社会科

授業で扱ったことをあげていきます。

男女の性の違いから生まれるイノベーション

今、男女の違いを科学的に分析することで社会を変えようとする“ジェンダード・イノベーション”が注目を集めている。医療分野では、男女でなりやすい病気に違いがあることが明らかに!自動車業界では、衝突実験を女性や子どものダミー人形で行うなど、事故リスクの低減につなげている。さらには、女性にだけ効く新薬の開発やスポーツシューズの改良まで。誰もが生きやすい社会につながる、性の違いから生まれる変革に迫る。(クロ現HP)

www.nhk.jp

 

あたりまえだが身体や臓器の機能は男女で大きな違いがある。

現在,男女の違いを科学的に分析することが,様々な発見につながっている。これを「ジェンダード・イノベーション」という。

 

まずは男性と女性の違いを医療に焦点を当ててみてみよう。

(1)病気の違い:女性の隠れ狭心症

病院での検査は原因不明だったが,大学病院での精密検査の結果,隠れ狭心症ともいわれるような症状だったようだ。

 

従来の狭心症の検査は,太い血管のみを対象としており,

また痛みも男性であれば胸に痛みが集中するため分かりやすいが,女性の場合はのどや胸,腹部にまで広がるので,心臓の病気と考えにくいという。

 

(2)ケガのリスク:前十字靭帯

女性は男性より前十字靭帯の損傷が3倍にもなる。

原因は女性の足に合っていないシューズにあるという。

 

女性と男性の足の形は異なるが,スポーツシューズの多くは男性の方を使って作られているという。

 

(3)女性に効く薬:女性専用メタボ改善

実はこれまで薬の実験に使われる動物は,性周期による体の変化を嫌い,メスが敬遠されてきた。ところが,メスも実験動物に使われてきたことで,オスとメスで異なる作用をもつ新薬の開発に生かされている。

 

他にも医療に関しては大腸ガンの発生場所やガンの形態など,性差にあわせた医療が必要であるという「性差医療」という考え方があることを初めて知ることができた。

 

女性にも優しい=みんなにやさしい

NHKスペシャルなどでも放送されていたが,車の事故によるケガは,男性より女性の方がケガのリスクが高い。これはダミー人形による事故時のリスク実験が,男性の骨格に合わせたダミー人形をただ小型化しただけのダミー人形を使っていたことから生じていた可能性が指摘されている。

そこから女性専用だけではなく,赤ちゃんや妊婦ダミーなどダミー人形の「個別化」が図られてきたことで,すべての人を対象とした事故リスク管理が進んでいるという。

 

ほかにも街づくりや商品開発に女性の視点が生かされており,それが全体として高齢者や子どもたちにとっても重要なイノベーションになるという。