ゴリラの社会科

授業で扱ったことをあげていきます。

阪神淡路大震災の死因を分析 なにが生死を分けたのか

www.nhk.or.jp

 

今日もテレビ録画の見直しをしていた。

 

阪神淡路大震災は,震災直後のみならず,時間が経ってから亡くなっていた人も多数いる。死因の分析が生死の境目を教えてくれた。

 

1つ目が建物の倒壊による死亡。

即死を示す圧死が全体の8パーセントであるのに対して,60%以上が窒息死だった。腹から胸の一部が圧迫されただけでも,人間は呼吸が苦しくなり,窒息死に至るらしい。

 

建物の耐震化が被害を減らすことが改めて確認された。

 

2つ目は火災による死亡。

実は地震直後に発生した火災と地震から時間が経ってから起きた火災の件数は,ほぼ同数である。この原因が通電火災といわれるものだ。

 

通電火災は,停電で動かなくなっていたストーブなどの電化製品が,復旧による通電で起動し,火災を引き起こしてします現象である。

 

地震によってブレーカーが落ちないままになっていたり,落とさずに避難してしまうことで発生する。この対策として地震発生によりブレーカーを落とすグッズなどが販売されているが,普及率はわずか6%だという。阪神淡路大震災のような都市型地震からの教訓を生かすのは,同じ阪神地域であることはもちろん,東京都市圏や名古屋などの地方中枢都市である。

 

最後に交通の遮断により救助が遅れたケースを紹介する。

地震発生から5時間後,まだ500人近くが生きていた。その一方で救助の手が回らなかった。その原因の一つが,深刻な渋滞である。

 

阪神高速HP

高速道路が倒壊したため,人々は国道2号線に殺到した。

渋滞を引き起こしたのは国道2号線。渋滞の先頭には,30センチずれた橋げたがあった。この30センチが大渋滞を引き起こしていた。

 

渋滞に拍車をかけたのが一般利用者だ。渋滞した道路の航空写真からは,一般車両が神戸に向かっている様子が見て取れた。

アンケートから彼らの多くが家族の安否確認や出勤,なかには状況把握という野次馬的なり利用者だったことが分かっている。

 

この渋滞は,西からも東からも来ている救助隊のゆくえを阻んだ。

救急隊が到着しだした午後8時には,生き残っていた500人のうち,すでに多くの方がなくなった後だった。。。

 

この安否確認による交通量の増加は,その後の東日本大震災でも続いて見られる現象だった。災害時のオフィシャルな対策はもちろんのこと,間接的だが大きな影響を及ぼす我々の行動を変える必要がある。